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平成24年度予算賛成討論

 市民クラブの見上万里子です。
 議案第5号平成24年度秋田市一般会計予算の件について、賛成の立場より討論いたします。
 まず、歳入に関してですが、市税収入の昨年度に比べての2.3%の落ち込みは、現在の社会情勢を考えると想定内と考えられるものでありますが、歳出における各事業、特に商工費の執行を通し、企業の活性化、就労者の増加により、市税収入の増加を期待するものであります。
 歳出に関しては、中通一丁目地区市街地再開発事業がおおむね終了したことなどにより、昨年度と対比して、一般会計の予算規模は5%の減となっております。同地区の再開発に当たっては、長年にわたってさまざまな議論がなされ、紆余曲折をしている間、この地の商業活動が滞っていたことを考えると、議論に費やした時間の本市経済への多大なる影響を感じざるを得ません。この事業でにぎわいが創出できるのかという疑問に対し、私は、昭和の時代のように、百貨店を中心としたにぎわいに期待するのは、もはやノスタルジーとしか考えられず、今こそ、箱物は箱物として考え、いかに人が集い、つながることができるかを示すときと考えます。
 本事業は、歳入の減を補うに足るほどの大きな事業です。建物が見え始めた今、これからどうやって人が集う場となり、地域に貢献するかを考える段階です。反対の意見もまだあるとは思いますが、建物完成を間近にした今、エリアなかいちの晴れのオープンの日を秋田市議会の総意として祝い、迎えられるよう、議員の皆さんに訴えさせていただきます。

 

 私は、昨年の11月定例会において、秋田公立美術工芸短期大学4年制大学化準備経費に反対いたしました。4年制大学化したからといって、学んだことを生かした就職ができるのか、マーケティング知識を兼ね備え、企業の即戦力となり得る学生を育てるカリキュラムとなるのか、疑問を感じていたからでした。しかし、議会の議決を経て、4大化への動きは加速しています。今となって、やめるべきだと私は言いません。逆に、反対したことが私の取り越し苦労だったのかと言わせるくらいの大学にしてほしいと期待しております。
 また、歳出の人件費に関してですが、適正な職員数へ縮減し、1.1%の減としておりますが、職員一人一人の職務負担の均等化、職場環境の整備を図り、職員の本業務意欲が高まるよう努めながらの減と理解いたします。
 さらに、歳出の扶助費のうち生活保護費の増などが挙げられますが、経済が縮小し、高齢化が進んでいる現状ではいたし方ないことと考えます。世の中では、死後何日もたってから見つかるなどの報道がされています。勤労意欲をなくさないようになどの配慮をしつつも、生活保護世帯への対応、支給に当たっての配慮が今後ますます求められます。本市においては、地域の皆さんの助け合いときずなのもと、生活困窮者や弱者に対する思いやりを大切にしながらの予算執行となるよう求めます。

 

 次に、事業別に幾つか賛成理由を述べます。
 ごみ減量・分別啓発事業についてですが、昨年の9月定例会の議案第94号秋田市廃棄物の処理および再利用に関する条例の一部を改正する件で、市民クラブの相原会長よりの賛成討論で、苦渋の末の選択であったことを述べております。賛成の決断をした判断基準として、ごみの減量に当たっての市民理解を得ること、手数料の使い方を明らかにすることなどがありました。24年度予算において、その使途が明らかになったことで、さらなる市民理解とごみ減量の目標達成をするものと期待しています。
 次に、市民の皆さんから大変評判がよい事業としては、町内防犯灯LED化事業、高齢者コインバス事業などが挙げられます。防犯灯の交換がいよいよ始まることにより、各町内と市との連携を確認することもでき、市政が密接に市民の生活にかかわっていることをPRするよい機会だと思います。実施に当たっては、照度の問題や、ふぐあいなどが生じることもあるかとは思いますが、地域の皆さんの要望に耳を傾けつつ、喜ばれる事業として完了することを期待いたします。

 

 次に、私が注目しているものとしては、第18回全国女性消防団員活性化秋田大会の開催です。東日本大震災では、女性が弱者となり、女性の視点が必要だと多くの被災者が語っています。また、女性の社会進出、男女共生を図っていくためには、男性が多く占められている場所にこそ女性が加わっていくべきです。その点で、消防団員として女性の皆さんが活躍していただくことは大変心強く思います。ぜひとも、秋田大会を成功させてほしいと思います。
 また、今回の予算には種まきのような事業が幾つかあります。6次産業化、農商工連携支援事業や都市・農村交流促進事業などは、まだまだ始まったばかりではありますが、秋田の農業、観光が活性化していくためには必要な事業です。農林部だけでなく、商工部とその他関係の部局が一丸となり、将来を見据えた事業となることを期待しています。

 

 対岸経済交流事業では、南寧市でのアンテナショップ等を開設し、秋田産品の販路拡大を模索するもの、また、泉・外旭川新駅(仮称)整備効果等調査経費は、新しい駅の可能性を探るものです。何事も、まずはやってみないとわかりませんし、これまでと何も変わらない秋田市であってはいけません。ただし、本当に事業性があるものなのかは慎重に検討すべきであるし、時には勇気ある撤退も必要であることを申し添え、議案第5号平成24年度秋田市一般会計予算の件に賛成するものであります。
 以上で討論を終わります。御清聴ありがとうございました。

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