見上万里子
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秋田市議会議員
H23.9月議会一般質問
市民クラブの見上万里子です。本日はこの場に初めて立たせていただき、機会を与えてくださった有権者の皆様、そして諸先輩の皆様に厚く御礼申し上げます。
私は秋田で学び、東京で学び、そして秋田と東京で仕事を経験し、今またこのような形で秋田に戻ってくることができました。秋田で働きたいと思ってもなかなか思うように仕事が見つからない。そんな若者が多いのが実態です。私のように戻ってこられるのは、まれなケースなのかもしれません。しかし、秋田には元気になるだけの要素があると、私だけでなく、秋田の人は思っているはずです。秋田をよくすることができると思う人、特に若い人には、ぜひ選挙に挑戦してもらいたいと思います。声を上げ、市民の皆さんと話し合い、現状を共有し、そして高めていく機会をふやすことがとても重要だと考えています。
3月11日の震災を経て、人の心、結びつきの大切さを再認識したのは私だけではないと思います。人間は心のある生き物です。労働や日々の生活はお金のためだけではありません。秋田は自殺率が高く、対策をしています。しかし、秋田の経済が活性化し、働きたい人が楽しく働け、健康に生活を送り、人とのつながりが保てる秋田であることこそが、減少の力となるのではないでしょうか。
私はこのたび、初めての一般質問をするに当たり、企業で長く働いてきた経験と比較し、行政に対して違和感を覚えたところ、また、7年ぶりに秋田に戻ってきて不便に思った点について、素直な気持ちで質問したいと思います。きっとこれは、なれてしまえば感じなくなってしまうかもしれません。そう思いましたので、あえて聞きにくいことも質問に取り上げさせていただきました。
それでは、通告に従い、順に質問いたします。答えにくい部分もあろうかと思いますが、答弁のほど、よろしくお願いいたします。
◇初めに、1、市長の政治姿勢についてお尋ねします。
働きたい人の雇用の場を確保するためにも、地域の中小企業のさらなる活性化が必要であると考えます。公共投資は予算規模が縮小し、公共工事自体が減少する傾向にある中、どのように中小企業を支援するのか。勇気を持って会社を起業しようとする市民をどのように育て、どのように支援していくのか。
(1)として、地域経済活性化のため、中小企業支援をどう考えているのか、お尋ねします。
秋田市を一つの会社ととらえると、社長は首長である市長です。社長であれば従業員に、どうなってほしいのか、どうあってほしいのか、ビジョンがあるはずです。このたび、受益者負担に関する条例が提案されました。今まで無料で利用できたところが、料金を支払わなければならなくなる。そんなとき、多くの市民に言われたのが、「職員が暇そうにしている」、「料金を払ったら少しはサービスがよくなるのか」と、そんな不満や疑問の声でした。確かに、私が企業に勤めていたときは、お客様の前でたばこを吸うなんてことは考えられなかったことでしたが、市役所では、仕事中にたばこを吸っている職員の姿を見かけます。そんな姿を見ると、市民の皆様からの御指摘もそのとおりかもしれないと思うのです。
市民から見る職員の勤務態度と市長がお考えになる職員の勤務態度について、(2)として、職員を指揮監督する立場として、職員の勤務態度をどう考えているのか、お尋ねいたします。
◇次に、2、人事行政の運営についてです。
平成11年に制定された人事行政の運営等の状況の公表に関する条例に基づく資料を見て、分限処分の件数が増加傾向にあることが気になりました。分限処分の件数とは、疾病等による降任、免職、休職の件数です。多くは休職ですので、病気のために仕事を休んでいる件数と思っていただければいいと思います。本当は件数についてグラフで説明をしたかったのですが、現状、本会議でのフリップでの説明ができませんので、議会活性化の次の課題として残し、口頭で件数を読み上げます。平成16年の件数、21件、続いて26件、28件、40件、40件、そして、平成21年には54件となり、まだ公表されておりませんが、聞き取りをさせていただいたところ、平成22年は49件ということでした。21年から22年までで5件減っているとはいえ、6年前の倍以上の件数になっています。私は、企業というものは、従業員がやりがいを持って元気に働けるからこそ、成長し、安定するものと信じています。まして、これからの時代、公務員も議員も世の中の動きに合わせた給与、報酬に変えていかなければなりません。給与も減って、心身ともにすり減らした状況では、よい行政を維持することなど到底考えられません。心も体も元気で、やりがいを持ち、残業をしないで家路につき、地域との時間を持つ。そんな職員の生活から、アイデアがわき、職員からのボトムアップによって支えられる。そんな状況が、秋田市を企業に例えるなら、安定した企業となり、もし社長が頻繁に変わったとしても、安定して継続的に成長できるのではと考えます。
私は選挙の前、市庁舎の建てかえについてのマスコミのアンケートに対し賛成と答えました。理由は、市民のためだけでなく、市役所職員が気持ちよく仕事に集中でき、職員の間で情報が共有できる空間をつくることで秋田市がよくなってほしいと考えたからです。職員の皆さんに前向きに仕事に取り組んでいただくためにも、分限処分件数はぜひとも減らしてほしいと思います。
そこで、(1)、職員の分限処分についてのアとして、分限処分件数が増加傾向にある要因をどう考えているのか、お尋ねいたします。
また、市民の皆さんから、「せっかく職員の人と親しくなったのに、かわってしまった」とか、「担当者がかわって、また一から説明しないといけないから大変だ」などの言葉をお聞きします。市民にとっては、なれた職員に話をしたいと思うのは当然だと思います。しかし、逆を言えば、職員にとっても、せっかく覚えた仕事や市民の皆さんを新たに覚えなければならない負担となります。職員は行政のプロです。だからこそ、プロとしての仕事のパフォーマンスを最大限に発揮するために、人事サイクルをもう少しゆっくりしてもよいのではと考えました。
イとして、人事異動のサイクルが短いことが職員の心の負担になっていると思うがどうか、お尋ねいたします。
次に、(2)、職員の育児休業の取得状況についてです。職員の中で、昨年度の育児休業を取られた男性職員は2名とお聞きしています。また、その前年度はいらっしゃいませんでした。男性も育児休業をといっても、経済的な理由や休業中の業務の問題など、なかなか取りにくい状況はわかっております。経済の先行きが不透明な中、民間企業において、男性が育児休業を取るのが難しい状況にあります。経済の影響を受けにくい行政が率先し、男性職員の皆さんが育児休業を取得することで、育児は母親だけではないこと、育児休業を取得しても差別なく仕事に復帰できることを示してほしいと思います。
アとして、男性の育児休業の取得者数が少ないが、どう考えているのか、お尋ねいたします。
先日、仕事をやめ、育児に専念している女性のお宅を訪問いたしました。仕事をしているときとはまるで違う、一日じゅう、小さな子供とだけ向き合っている生活に、私は戸惑いを感じました。本当に、育児をされているお母さん、一人でよくやっているなあという尊敬の念とともに、少しでもその大変さを、家族や社会が分かち合い、子供はみんなで育てるものとしなければならないとの強い思いを抱きました。育児のために、夫が数日休んだくらいでは、きっと子育ての大変さは共有できるものではないと思います。夫婦で子育てをすることは、周りの皆さんの協力があってこそ進められることです。まずは行政で働く皆さんの環境について、イとして、男女ともに一定期間取得できる環境となっているのか、お尋ねいたします。
◇続きまして、3、地域公共交通政策についてです。
初めに、(1)、バス路線についてです。今、秋田市は超高齢化の時代を迎えつつあります。国立社会保障人口問題研究所によると、2010年、75歳以上の高齢者が11.9%に対し、2030年には21.5%に増加するものと推定されています。75歳以上の高齢ドライバーは安全面の問題も懸念され、公共交通の利便性の向上は今後ますます重要だと考えます。また、買い物に不自由を感じる、いわゆる買い物難民と言われる方が日本に600万人いると言われています。秋田市においても、自家用車を利用できるかどうかによって、交通の利便性に大きな違いが生じています。私自身、このたびの3月の震災直後、ガソリン不足なこともあり、バスを多く利用した経験より、今回質問項目に挙げさせていただきました。乗ったことのないバス路線では、私は自由に乗り継ぐことができませんでした。一体このバスがどこまで行くのか、不安なまま乗車して、思うところと違う場所に行ってしまったこともありました。震災直後、私は交通弱者となっていました。震災の影響が薄れたころには、すぐにもとの生活に戻り、そのことは忘れていましたが、先月、被災されて秋田市に避難されている方からも同じようなお話をお聞きしました。その方は、私と同じくらいの年齢の女性で、たったお一人で秋田市に避難されてきた方でした。車もなく、支援物資を受け取りに行くにも、バスを乗り継がなければなりません。「見知らぬ土地で、バスにどう乗っていいのかわからない。宿泊所に戻れるか不安になる。」そんなお話をされていました。市民の皆さんからは、バス路線をもっと張りめぐらせてほしいとの要望が多くあると聞いております。しかし、路線網の充実に関しては、市長も公約に掲げていらっしゃるとおり、着実に進められている気がしています。路線図を見ると、その図を理解するのに時間がかかるほど複雑で、細かいところまで張りめぐらされています。複雑であればあるほど、いつもなれた路線以外を使おうとしたとき、乗りこなすことができない状況が起こっているのではないかと思います。
現状の取り組みについて、また、今後予定されている取り組み状況などについて、アとして、わかりやすい情報提供をしているのか、お尋ねいたします。
また、バスを少しでも多くの方に利用していただき、利益を確保し、地域公共交通を維持していかなければならないという状況にあり、少しでも多くの方に利用していただくために、どのようにされているのか。例えば、秋田市以外からいらしている方の利用について、どのくらい想定しているのか、土地になれていない人にも使いやすい工夫はされているのかという観点から、イとして、観光との連携を図っているのか、お尋ねいたします。
続いて、(2)、国の支援策の利用についてです。他都市の事例をお聞きしている中で、八戸市の取り組みが秋田市にも参考になるのではと思い、取り上げます。八戸市では、公共交通を一見さんにもわかりやすくするため、「ただでさえわかりにくい線路のないバスだからこそ丁寧に」をモットーに、いろいろなツールを使って、わかりやすく改善を図っています。そして、八戸市では、国の支援策を利用しているとのことでした。その支援策とは、地域公共交通確保維持改善事業で、国では平成23年度305億円の予算をとっています。この事業は、移動権の保障を目指す第一歩として、だれもが移動手段の確保が可能となる社会を実現するため、国が一括して支援するもので、ぜひとも秋田でも取り入れたい内容だと思います。
では、なぜ秋田市では国の支援に手を挙げなかったのかという疑問がありました。そんなとき、思い出したのが、ことし7月、平成22年度転作大豆交付金に関する事務処理誤りについての説明です。国からの交付金の申請手続を行わなかったという単純なミスです。国の政策の変化が早過ぎてついていけない、そんなこともあるかもしれません。間違いはだれでもあります。しかし、国が、国全体をよくするために行っている施策に対し、少しでも秋田市が該当するなら、少しでも多く資金を獲得しようとする意識が足りないのではないかという思いがしてなりませんでした。この件は、担当部が違いますので、この項目でお話しするのは申しわけなく思いますが、秋田市として、交付金、補助金を得るための取り組み姿勢の一例として、地域公共交通確保維持改善事業(生活交通サバイバル戦略)を利用することは検討しなかったのかについてお尋ねいたします。
◇次に、4、家庭系ごみの有料化についてです。
ごみの有料化については、このたびの春の市議会議員選挙では、マスコミのアンケート項目としても取り上げられ、市民からの注目も高い議案であることは周知のことと思います。昨年、同条例の提案表明に対し、市民の理解が不十分、有料化そのものが目的化しているのではないかという意見で議会が反発し、見送った経緯を先輩議員よりお聞きしております。また、マスコミのアンケート結果では、その賛否が拮抗しており、議案提出に当たっては、ある一定の議論の時間が必要であることは予想がつきます。震災の影響によるものか、一時ごみの量が減量されてきたこともあり、有料化は見送られるのかと思っていたところ、8月24日議会運営委員会にて、ごみ有料化に関する条例案を提出するかもしれないとの発表がありました。市長と話し合いをするにも、市長は海外出張中とのことで、議論を避けているとしか思えない表明の仕方です。私はマスコミからのアンケートに対し、ごみの有料化反対と回答し、今、この場に立たせていただいています。
その立場より、(1)として、9月定例会直前の提案表明では、議論する時間が少な過ぎると思うがどうか、お尋ねいたします。
ごみ有料化は、本来、ごみの減量が目的です。10%のごみ減量目標といっても、毎日どれくらい減量すればよいのか、実感として、市民はわかっていたでしょうか。昨日配布されました広報あきた、9月16日号では、目標の556グラムにするためには、「77グラム(かぶ1個分)」と書いてあります。しかし、カブはごみではありません。今まで、市として、いろいろなパンフレットや広報などに工夫をされて訴えてきたのはわかりますが、でも、残念ながら伝わっていないのではないかと思います。私は以前、「生ごみ・ひとしぼり100円」というキャッチコピーで、水分を切る必要性を強く感じたことがあります。一搾りして出た水分を焼却したとき、燃料代が100円相当だというコピーでした。この100円の例は、秋田市には当てはまらないかもしれません。しかし、秋田市で減量のために使ってきたキャッチコピーやチラシでは、なぜごみを10%減らさなければならないのか、10%減らせばどんないいことが起こるのかがわかりにくく、納得性が薄く、減量に結びつかなかった原因になったのではないかと思います。私が77グラム減らすためには、どれくらい減らせばいいか、はかってみました。飲み終わった紅茶とコーヒー殻を搾って水分を取る。今までシュレッダーにかけていたDM等の個人情報をケシポンで消してから資源ごみに回す。大体これで60グラムでした。これが前回の広報の減量目標です。今回の広報の目標の77グラムにするためには、さらに買い物のレジ袋などを足さないといけませんでした。そうやって初めて、私は毎日どれくらい減量すればよいのかを実感することができました。ごみ減量に関する説明会には1万8,000人以上の市民の皆さんに参加いただいたとお聞きしております。例えば、そのとき、私案ではございますが、皆さんから、お一人お一人の生活の中で77グラム減量できるものは何かを書いていただく「私のごみ減量宣言」のような形をとるなど、ただ説明するのではなく、もっと別の方法があったのではないかと思えてなりません。
調べてみると、長崎県では6年ほど前にそのような取り組みをされていました。有料化をする前に、まだまだできることがあったのではないかという観点から、(2)として、ごみの減量目標が市民に実感できるものとして伝わっていたのか、お尋ねいたします。
ごみ減量の方策の一つとしての有料化を考えたときに、本当に有料化することにより、ごみが減るのかという疑問があります。有料化した場合、1リットル1円の上乗せとの提案内容ですが、ごみの減量目標値はグラム単位、重さになっているのに対して、課金の対象はリットルと容積になっています。有料化になったら、一つの袋にできるだけぎゅうぎゅうと詰め込むというのが普通の行動ではないでしょうか。それでは減量になりません。課金システムを重さにするのが難しい状況は理解しておりますので、容積に対して課金することに対し、問題視するつもりはありません。しかし、あくまでも減量する目標は重さである以上、2袋出していた人が1袋に詰め込んでごみを出しても、ごみの減量とはならないことになります。さきに、環境部より、有料化を実施した中核市8市のうち、5市で減量効果があると、説明をお聞きしております。また、4年以上経過してからの排出量に関しても、4市において減量を維持していることを聞いております。
しかし、2つの研究について紹介させてください。2006年「地球環境研究,vol.8」の「家庭ごみ処理の有料化による減量効果」での研究の要約です。「1996年から実施された埼玉県の秩父広域市町村圏組合及び両神村の9自治体におけるごみ処理の有料化の例を分析した。」「減量効果が3年程度持続する自治体が多いが、その効果がまったく無い自治体も二つあった。」少し飛ばします。「減量効果のあった自治体だけでなく、すべての自治体で4年後から増量効果が発生した。この理由は、料金が比較的安いために、住民が慣れてしまったためと考えられる。ごみを増やさない為には、料金を常に適正水準になるように見直す必要がある。」とあります。また、2001年2月の「月刊廃棄物」では、山川肇氏による家庭系可燃ごみ収集量の経年変化をあらわした図が掲載され、四、五年後には、もとの排出量に戻ってしまうケースが多いことが発表されています。このほかにも、調べると、有料化しても本当に減量できるのか、不安に思う研究結果が出てきます。
そこで、(3)として、家庭系ごみの有料化を実施したものの、10%の減量目標を達成できなかった場合どうするのか、お尋ねいたします。
続いて、ごみについて思うことを素直に話させていただきます。私が子供のころからごみの捨て方を見てきて思うのは、子供のころは、秋田市のごみ分別は進んでいたが、秋田を少し離れて戻ってきたら、ほかよりもおくれてしまってどうしたんだという気持ちです。燃やせるごみと燃やせないごみの指定袋の導入は平成9年、ペットボトルの分別収集も平成11年と、比較的早い時期での導入だったのではないでしょうか。その後、平成14年、御所野事業所の溶融炉2基が完成いたしました。平成14年は秋田市の1人1日当たりの家庭系ごみの排出量が660グラムと、平成11年以降で一番高い数字となり、その後、なだらかに下がってきています。その数値を見ると、溶融施設の完成の時期が山であったように、次はこの溶融施設が使えなくなったときが、今後のごみ処理のあり方を方向づけるときではないかと思います。
ごみというのは目の前からなくなれば忘れてしまうものです。しかし、ごみは多くの人の日々の労力や燃料や税金、そして、何よりも限りある資源を消費しながら処理されています。10年後、20年後、秋田市のごみ処理のあり方や、今の子供たちにどういう形でこの問題を引き継ぐのかについて、(4)として、ごみ処理行政をどのように考えて行ってきたのか、また、ごみ処理の将来像をどう考えているのか、お尋ねいたします。
以上、通告による質問を終わります。御清聴ありがとうございました。